iPhoneの標準メールアプリ上で「メールを取得できません」「ユーザー名またはパスワードが正しくありません」というダイアログが繰り返し表示される場合、利用者の多くはパスワードの誤入力を疑います。しかし、通信業界のエンジニアやキャリアショップのテクニカル担当者への取材取材によると、ドコモメール送受信できない原因の筆頭に挙げられるのは、認証システムのアップデートに伴う旧型トークンの失効です。
NTTドコモは近年、アカウントの不正アクセス被害を防ぐため、従来の固定パスワード運用から「パスキー認証」や高度な2段階認証への移行を段階的に推し進めてきました。その結果、過去にインストールした設定ファイルのまま端末を引き継いだり、バックアップから復元したiPhoneにおいて、旧サーバーとの通信が強制遮断される事例が相次いでいます。
さらに見過ごせないのが、iOS側のプライバシー保護機能(プライベートリレー等)との競合です。IPアドレスを秘匿する通信を経由した際、ドコモの認証サーバーが「不正な接続経路」と判定し、一時的なアクセスロックをかける現象が報告されています。「昨日まで普通に使えていた」というケースほど、バックグラウンドでのセキュリティポリシー更新が影響しているケースが大半を占めています。