特別支給の老齢厚生年金申請で大損?放置の時効と2026年最新手続き

特別支給の老齢厚生年金申請で大損?放置の時効と2026年最新手続き

特別支給の老齢厚生年金申請で大損?放置の時効と2026年最新手続きについての真相をお届けします。

ネット上の掲示板やシニアコミュニティ、知恵袋などで今も根強く囁かれているのが、「年金は受給開始を我慢して遅らせるほど、将来の受給額が跳ね上がる」という言説です。たしかに65歳から受給する本来の「老齢基礎年金」や「老齢厚生年金」であれば、受給を繰り下げることで1か月あたり0.7%、最長75歳まで遅らせれば最大84%の増額恩恵を享受できます。しかし、これこそが多くの受給者を奈落の底へ突き落とす最大の認知バイアスです。

特別支給の老齢厚生年金には、繰り下げ増額の制度がそもそも存在しません。いくら受け取りを先延ばしにしても、受給額が1円も増えることはないのです。それどころか、公的年金の受給権には会計法および国民年金法・厚生年金保険法に規定された「5年の消滅時効」が冷酷に適用されます。

年金を受ける権利(基本権)は発生から5年を経過すると、請求を行っていなかった過去の月分から順次、時効によって権利が消滅していきます。たとえば、受給開始年齢が63歳だった方が「65歳でまとめて請求すればいい」と放置し、さらに退職後の生活に追われて68歳を過ぎてから年金事務所へ駆け込んだ場合、本来63歳から受け取れるはずだった年金のうち、時効にかかった期間分(63歳時点の給付金)は法的に国庫へ吸収され、二度と取り戻せなくなります。

現場の年金事務所相談窓口でも、「後からもらえると聞いていた」「国が自動的に積み立ててくれていると思っていた」と窓口職員に詰め寄り、落胆と怒りを露わにする来訪者が毎週のように発生しています。権利の上に眠る者を法律は保護しません。特別支給の老齢厚生年金は、受給権を得た瞬間に手続きを行うことだけが唯一の正解です。

吉田 誠
著者

吉田 誠

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