徹底して公の場に出ることを控えていた渥美清の家族ですが、私生活では深い愛情に満ちた家庭を築いていました。家族構成は、妻の正子(まさこ)さんと、一男一女の2人の子どもです。
正子夫人と結婚したのは、映画『男はつらいよ』の第1作が公開された記念すべき1969年のことでした。一般女性であった正子さんは、夫の「私生活を表に出さない」という信念を深く理解し、表舞台に出ることなく影から夫の体調管理と家庭の維持に全力を注ぎました。
長男である田所健太郎氏は、成長後にメディア業界へと進み、ニッポン放送でラジオディレクターなどを務めました。父の威光に頼ることなく自らの実力で番組制作に携わり、数々の人気ラジオ番組の現場を支えたことで業界内でも高く評価されました。現在は第一線の現場から退きつつも、偉大な父の遺品や著作権の適切な管理に関わりながら、静かにその血脈を受け継いでいます。