「袴の畳み方に悩んでいませんか?実はシワを作らないための決定的な順序や、ほどけない紐の結び方には明確なコツが存在します」。ネット上で飛び交う複雑な手順に惑わされる必要はありません。要点を絞れば、どのような袴であっても以下の4ステップで美しく畳み終えることが可能です。
ステップ1:平らな床に広げ「袴のひだの揃え方」を極める
まず、畳や清潔なフローリングの上に袴の「前側(ヒダが5本ある側)」を上にして広げます。ベッドや布団の上のような柔らかい場所で行うと、折り目が歪むため絶対に避けてください。裾を持ち、軽く上下に振って全体のたるみを取った後、前ヒダの折り目を手アイロン(手のひらで上から下へ優しく滑らせる動作)でピッタリと整えます。ヒダの折り線が平行にまっすぐ通っている状態を作ることが、美しい仕上がりの8割を担保します。
ステップ2:両脇を内側に折り込み、行灯袴・馬乗り袴の形を整える
前ヒダが整ったら、袴の両端(脇の縫い目部分)を内側へ折り込みます。折り幅は左右均等に、袴全体のシルエットが綺麗な長方形になるよう意識します。
ここで馬乗り袴の畳み方における重要ポイントが発生します。真ん中の襠(股の布)を軽く手前に引き出し、左右の足布が重ならないように平らに伸ばしてから両脇を折ります。一方の行灯袴の畳み方では、襠が存在しないため、前布と後ろ布の裾ラインをきっちり重ね合わせるだけでスムーズに長方形が完成します。
ステップ3:背板(腰板)を倒し、裾から三つ折りにする
後ろ側にある硬い板(腰板、または背板)を、手前(下方向)に向かってパタンと倒します。卒業式の行灯袴など腰板がないヘラ付きタイプの場合は、背面の帯布を自然に内側へ折り倒すだけで十分です。その後、裾側を持って胴回りに向けて持ち上げ、袴の長さに応じて「二つ折り」または「三つ折り」にします。持ち運びやたとう紙のサイズに合わせ、折り目を強く押し付けすぎず、ふんわりと畳むのがシワ防止の隠れた秘訣です。
ステップ4:袴の紐の結び方十文字結び&袴の出世結びの手順
袴の畳み方で最も見た目を左右するのが、残された長い紐(前紐2本、後紐2本)の処理です。放置すると保管中に絡まり、次に着るときに無残なヨレが生じます。代表的な2大結び方をマスターしましょう。
【袴の紐の結び方十文字結び(武道・基本用)】
武道の道場やフォーマルな保管で最も重宝されるのが十文字結びです。
- 後ろ側から伸びる短い後紐(左右)を、それぞれ斜め下に向かって交差させ、中央で折り返して上へと伸ばします。
- 前側から伸びる長い前紐(左右)を、左右から中央へ水平に通し、後紐と交差させて十字の土台を作ります。
- 余った前紐の端を、中央の交差点の下にくぐらせて垂直方向に引き上げ、縦と横のラインが綺麗な「十」の字を描くようにテンションを均等にして引き締めます。
- 端を折り返して結び目の裏に挟み込めば、一切ほどけない強固で端正な十文字が完成します。
【袴の出世結びの手順(礼装・儀礼用)】
男性の成人式や結婚式の羽織袴、あるいは卒業式用袴で用いられるのが、縁起を担いだ「出世結び」です。紐を交互に美しく重ね合わせて蝶のような文様を作り出します。十文字結びよりも紐をふんわりと重ねるため、正絹の高級袴に紐の圧迫跡(アタリ)をつけたくない場合に最適な技法です。