どれほど悪質な凶行を重ねても法の裁きをすり抜けることができた背景には、一般的な家庭の常識を遥かに超越した「実家と親族の莫大な財力」が存在していました。取材記録や報道資料によって白日の下に晒された渡辺陽太の経歴は、常軌を逸した金満環境そのものです。
犯行当時、渡辺陽太が生活の拠点としていたのは、東京都港区元麻布に位置する家賃100万円超・専有面積400平方メートルという規格外の超高級マンションでした。千葉県内の私立高校に進学するも、入学からわずか2ヶ月で万引き事件を起こして退学処分。その後、年間1000万円前後の学費を要する海外留学へ送り込まれ、帰国後にAO入試枠などを利用して慶應義塾大学へと滑り込んでいます。
学生時代の本人は、六本木や西麻布の高級クラブに入り浸り、一晩で数十万円から数百万円を湯水のように散財。芸能人やモデルが顔を揃えるVIPルームで豪遊を繰り返す姿が度々目撃されていました。その途方もない資金の源泉となっていたのが、渡辺陽太の祖父と父親です。
報道各社の追及により、祖父はかつて「地商グループ」を率い、不動産事業や日雇い労働者・生活保護受給者向けの宿泊事業(いわゆる貧困ビジネス)などで莫大な富を築き上げた実業家・渡辺元氏であることが判明しています。父親もその事業と資産基盤を引き継ぎ、潤沢な資金力を誇っていました。万引きによる退学、海外留学、夜の街での放蕩、そして女性たちに対する蛮行に至るまで、不祥事を起こすたびに一族のマネーが防波堤となり、被害者に多額の示談金を積むことで破滅を回避し続けてきた構図が浮き彫りになっています。