ネロが最期の場所に選んだのは、ベルギーのアントワープ(アントウェルペン)にあるノートルダム大聖堂でした。ここには、彼が生涯憧れ続けた画家ピーテル・パウル・ルーベンスの最高傑作である『キリスト昇架』と『キリスト降架』が飾られていました。
当時の聖堂では、銀貨を払わなければ絵を覆う分厚いカーテンが開けられない仕組みになっており、貧しいネロは鑑賞を拒まれ続けていました。しかしクリスマスイブの夜、吹き荒れる風によってカーテンが偶然開き、月明かりが二枚の絵を鮮やかに照らし出します。
「見たんだ…僕、とうとう見たんだよ…!」と歓喜に震えるネロのもとへ、雲を突き抜けて神々しい光が差し込みます。空から舞い降りた天使たちがネロとパトラッシュの魂を抱き上げ、天国へと昇っていく昇天シーンは、アニメ史上に残る屈指の演出として今なお語り継がれています。