Q1:足のむくみや一般的な「こむら返り」と深部静脈血栓症(DVT)はどう見分ければいいですか?
A1:決定的な違いは「左右差」と「持続性」です。一般的な疲労やこむら返りは筋肉の痙攣が治まれば数分から数時間で和らぎ、両足に生じることも多いですが、DVTによる血栓は太い静脈を物理的に塞ぐため、多くは「片足だけ」が明らかに太くなり、赤みや熱感、歩行時の強いふくらはぎの痛みが何日も持続・悪化します。片足だけに異様な腫れが出た場合は、決して揉まずに血管外科や循環器内科を受診してください。
Q2:市販されている美脚用の着圧ソックスでも、医療用弾性ストッキングと同等の予防効果はありますか?
A2:市販の着圧ソックスも一定の圧迫効果は期待できますが、医療機器として承認されている「医療用弾性ストッキング」とは圧力の強さや圧力の傾斜配分(足首が最も高く、上に向かって徐々に圧が弱くなる精密設計)が異なります。下肢静脈瘤の手術後や静脈血栓のリスクが高いと診断されている方、長距離フライトで確実な予防を期したい方は、医療機関や調剤薬局で自身の脚のサイズを正しく計測した上で、適切な医療用製品を選択することを推奨します。
Q3:肺血栓塞栓症を発症して退院した後、運動や日常生活はどの程度まで再開できますか?
A3:急性期を脱して抗凝固薬(DOACなど)による治療が軌道に乗れば、ウォーキングや軽いデスクワークなどの日常生活は比較的早い段階で再開可能です。ただし、血栓が完全に器質化・安定するまでの期間や、抗凝固薬の内服中は出血傾向(血が止まりにくくなる状態)が続くため、格闘技やスキー、激しいコンタクトスポーツなど打撲や外傷の危険が高い活動は主治医の許可が出るまで制限されます。自己判断で急激な負荷をかけず、心エコーや造影CTでの経過観察に合わせて段階的に運動強度を戻していくのが鉄則です。