ネット上で「全機種対応ケースはスマホが滑り落ちて画面が割れる」という噂が絶えない背景には、近年のスマートフォン背面の「素材進化」が深く関係しています。
ひと昔前のプラスチック背面と異なり、現代のミドルレンジからハイエンド端末(Galaxy、Xperia、AQUOS、iPhoneなど)の多くは、指紋防止のAG(アンチグレア)ガラスや、サラサラとしたマット加工、あるいは撥油性ナノコーティングが施されています。この特殊加工は指紋や皮脂を弾く反面、アクリル系やシリコン系の粘着ゲルシートの吸着力を極端に低下させる性質を持っています。そのため、説明書通りに直接貼り付けても、わずか数日や数週間の使用で重みに耐えかねて剥がれ落ちてしまうのです。
この落下トラブルを完全に防ぐ唯一のプロの解決策は、「端末に直接貼らず、100円ショップ等で購入したポリカーボネート製の安価なクリアハードケースを端末に装着し、その上から粘着シートを貼り付けること」です。平滑なプラスチック表面であれば粘着ゲルは本来の強靭な結合力を発揮し、耐荷重テストでも数キログラムの引っ張りに耐えうる強度を維持できます。
もし長期間の使用によって粘着力が弱まってきた場合でも、市販の強力ゲルシートの多くは「水洗いメンテナンス」によって粘着力が復活します。皮脂やホコリが付着して白濁したシート面を、水で濡らした固く絞った布で拭き取るか、中性洗剤を一滴垂らして指の腹で優しく洗い流し、完全に自然乾燥させることで、初期に近い吸着力を取り戻すことが可能です。無水エタノールなどの有機溶剤を使うとゲルの分子構造が破壊されるため、必ず水洗いを徹底してください。