14歳の凶行という現実は、既存の刑事司法の枠組みを根底から揺るがした。事件当時、16歳未満の少年には刑事責任を問うことができず、少年院送致が法的な限界だった。この枠組みに対する世論の激しい反発を受け、国会では議論が急速に加速。2000年には刑事罰の対象年齢が「16歳以上」から「14歳以上」へと引き下げられる大規模な少年法改正へと発展した。その後も被害者参加制度の導入など、法務省を巻き込んだ法制度の抜本的な見直しが連鎖していった。
近年、司法関係者の間で大きな議論を呼んだのが、少年事件に関する裁判記録の廃棄問題だ。事件の重大な教訓を残すべき未公開記録や調査報告書が、各地の家庭裁判所で次々と廃棄されていた事実が明るみに出た。歴史的資料を後世にどう継承し、再発防止の検証に役立てるか。法務省と最高裁判所は記録保存の厳格化へ舵を切ったものの、制度の狭間に消えた記録の存在は、司法の透明性を巡る重い課題として横たわっている。