かつてPGAツアーの舞台で死闘を繰り広げたレジェンドたちは、道具に対して異常なまでのこだわりを持っていた。メジャー最多勝利数を誇るジャック・ニクラウスが手にしていたアイアンは、寸分の狂いも許さない厳格なフィッティングを経て削り出されたものだ。彼の振るうクラブから放たれる打球は、ピンを正確に刺し続けた。
一方、「精密機械」と称されたベン・ホーガンが自ら開発に携わったクラブは、今なお美しさと機能性の極致として語り継がれている。打点がわずか数ミリ外れれば容赦なく手に衝撃が走る。しかし、完璧な芯で捉えた瞬間の「ボールが消えた」と錯覚するほどの打感は、現代の優しい大型ヘッドでは決して味わえないものだ。往年のトッププロたちが自らの情熱とプライドを注ぎ込んだギアには、意志のようなものが宿っている。