スマホを開けば、世界中の症例や薬の情報が指先一つで手に入る。米国大手のWebMDをはじめ、各種検索エンジンやSNSには膨大な健康情報があふれ返っている時代だ。しかし、情報へのアクセスが容易になった反面、その「生かじりの知識」を過信して医療現場を持ち込もうとするケースが急増した。
「ネットにはこう書いてあった」「この病気に違いないからあの薬を出してほしい」。根拠の乏しい情報に依存し、専門家である臨床医の見解を頑なに拒絶する態度。それは診断の正確性を脅かすだけでなく、限られた診察時間を不毛な議論で費やす結果にしかならない。