鉛筆の書き味や濃淡を左右する「HB」や「2B」といった硬度記号は、一体何によってコントロールされているのでしょうか。その秘密は、原材料である黒鉛と粘土の比率にあります。
日本国内で広く採用されている硬度記号は、硬さを表す「H(Hard)」、濃さを表す「B(Black)」、その中間を示す「F(Firm)」によって分類されます。JIS規格(日本産業規格)では9Hから6Bまでの17段階が規定されていますが、三菱鉛筆のフラッグシップ商品「ハイユニ」などでは、世界最多水準となる10Hから10Bまでの全22硬度がラインナップされています。
この芯の製法を確立したのは、1795年のフランス人科学者ニコラス・ジャック・コンテでした。黒鉛粉末と粘土を微細に粉砕して均一に練り合わせ、細い孔から押し出して乾燥させた後、鉛筆芯の製造工程 焼成温度として知られる1000℃〜1100℃以上の還元焼成窯でじっくり焼き固めます。粘土が陶器のように焼き締まることで骨格を作り、その隙間に黒鉛粒子が固定される構造です。さらに、焼き上がった芯を動物油や植物油、スピンドル油などのオイル槽に浸して微細な空隙を油分で満たすことで、紙の上を滑るような独特の心地よい書き味が生まれます。