実際の断酒例会とは、どのような空間で行われているのでしょうか。現場の様子を観察すると、外から想像されるような物々しさはなく、驚くほど静かで穏やかな時間が流れています。
例会は主に、市民センターや公民館、福祉会館などの公的施設の一室を借りて開催されます。各地域で平日夜間や土日の日中など、週数回から毎日どこかの会場で開催されており、参加者は10人から20人程度が車座になって座ります。時間は1回あたりおおむね90分から2時間程度です。
司会者の進行に従い、開会の言葉や綱領の唱和が行われた後、参加者が1人ずつ順番に発言していきます。発言時間は1人あたり数分程度。手記やメディアの取材記録には、初参加時の心境について次のような実情が記されています。
「最初の例会では足が震え、何を話せばいいのか分からなかった。しかし、周りの人たちが警察沙汰になった話や家族を泣かせた過去を恥じることなく淡々と語り、それを皆が温かく受け止めている姿を見て、『ここは嘘をつかなくていい場所なんだ』と肩の荷が下りた」(40代・男性会員の手記より)
SNSや知恵袋などのネット上の反応を見ても、「頑固な親父が通い始めてから人が変わったように穏やかになった」「同じ苦しみを抱える仲間がいると知るだけで孤独感が消える」といった好意的な評価が目立ちます。一方で、「地域の高齢者が多く、若い世代が馴染むのに少し時間がかかった」「挨拶回りの文化に最初だけ戸惑った」という、地域密着型コミュニティ特有の距離感に対するリアルな声も存在します。
初めて参加する場合の流れは非常にシンプルです。全日本断酒連盟や各都道府県の断酒会支部の公式サイト、あるいは地域の保健所や精神保健福祉センターに連絡を入れれば、最寄りの例会日時を案内してもらえます。事前予約なしで直接会場を訪れても温かく迎え入れられるケースがほとんどですが、事前に「見学希望」と一本電話を入れておくと、案内がよりスムーズになります。