暴力団員が正面から賃貸契約を結ぼうとしても、入居審査の段階でデータベース照会や身元確認が行われるため、審査を通過することは不可能です。そこで横行しているのが、第三者を利用した悪質な「名義貸し」の手口です。
交際相手の女性や親族、あるいは借金を抱えた知人などの名義を使って契約を結ばせるほか、暴力団と関係のない実体不明のペーパーカンパニーを立ち上げ、法人名義で社宅として借り上げるケースが多発しています。不動産会社やオーナー側から見れば、書類上は一般企業や一般個人に見えるため、契約段階で見破ることは容易ではありません。
しかし、こうした身分偽装は重大な犯罪です。暴力団組員が自らの身分を隠してマンションを購入したり、賃貸契約を結んだりする行為は、判例上「詐欺罪(刑法246条)」が明確に適用されます。実際に、名義貸しを依頼した組員だけでなく、名義を貸した一般人側も詐欺の共犯として逮捕・起訴される事例が相次いでおり、安易な名義貸しは人生を破滅させる重大なリスクを伴います。