モバイルバッテリーをスーツケース等の受託手荷物に入れて預ける行為は、航空法関連規定によって固く禁じられています。保安検査で発見された場合、手荷物を開けられて取り出しを求められるだけでなく、搭乗便の遅延や保安上の重大インシデントに直結します。
その最大の理由は、内部に使われているリチウムイオン電池の発火危険性にあります。リチウムイオンバッテリーは極めて高いエネルギー密度を持つ反面、外部からの衝撃や圧力、内部ショートによって「熱暴走」を起こし、一瞬にして数百度の高熱と激しい炎ガスを噴出する特性を抱えています。
航空機の貨物室(バルク・コンテナ)は飛行中に客室乗務員や乗客の手が届かない密閉空間です。万が一貨物室内でバッテリーが発熱・自然発火した場合、初期消火が極めて困難になり、航空機全体の墜落リスクに直結します。一方、客室(キャビン)内であれば、万が一煙や異臭が発生しても乗員が即座に消火ボトルや耐火バッグで対処できるため、「機内持ち込み手荷物のみ許可」という国際共通の厳格なルールが確立されています。