末田氏のキャリアにおいて重要なターニングポイントとなったのが、音楽専門チャンネル「SPACE SHOWER TV」での仕事だ。現場の最前線で多様なジャンルの音楽とブレイク前のインディーズバンド、メジャーアーティストのライブ映像に触れる中で、彼の表現感覚は急速に研ぎ澄まされていった。
彼が手掛けたミュージックビデオは、単に楽曲を補完する映像にとどまらなかった。音と言葉のスキマにある余白を捉え、視覚的な叙情詩へと昇華させる手腕は一握りの天才にしか許されない職人技だった。画面から滲み出る生々しい空気感こそが、当時の視聴者の心を掴んで離さなかった理由である。