貴景勝の現役引退は、相撲ファンに大きな衝撃を与えました。2024年9月場所、首の頸椎椎間板ヘルニアとそれに伴う神経障害が悪化。力士生命のみならず日常生活への支障すら懸念されるなか、日本相撲協会へ引退届を提出し、年寄「湊川」を襲名しました。貴景勝の引退理由と現在を語るうえで避けて通れないのは、文字通り「満身創痍」の身体と向き合い続けた日々の過酷さです。
頭から激しく当たる愚直な押し相撲は、相手のみならず自身の頚椎へも凄まじい衝撃を蓄積させます。手が痺れて箸を持つことすら覚束ない時期もあったと伝えられるなか、妻の有希奈さんは専門的な栄養学を学び、身体の炎症を抑える食材選びや疲労回復を促す徹底した献立作りを実践しました。「千葉有希奈 美人妻」という表面的なビジュアルの称賛の裏には、深夜に及ぶアイシングの手伝いや、敗戦後の沈黙に寄り添う忍耐強い支えが存在していました。
湊川親方となった現在、夫妻は常盤山部屋付きの親方として後進の技術指導と精神的ケアに尽力しています。土俵で戦うプレッシャーから解放された一方で、親方業は力士たちの生活態度や進路指導、後援会との折衝など、多面的な職務が求められます。相撲界の内部事情を肌感覚で理解している妻の存在は、親方としての第一歩を踏み出した夫にとって代えがたい推進力となっています。