怪演やシリアスなサスペンスだけが矢柴俊博の真骨頂ではない。東映の特撮テレビドラマ『手裏剣戦隊ニンニンジャー』で演じた主人公の父親・伊賀崎旋風役は、彼のキャリアにおける表現の幅広さを証明する決定打となった。
忍術が使えない落ちこぼれでありながら、誰よりも温かく子供たちを見守り、時にコミカルに、時に深い包容力で家族を支える父親像。特撮という子供から大人までが観るジャンルにおいて、矢柴は過剰な芝居に頼ることなく、心温まるユーモアと父親としての頼もしさを絶妙なバランスで体現した。後見人として若手俳優たちを現場で支え続けたその姿勢は、制作陣からも高く評価されている。