横浜中央卸売市場には数多くの飲食店が軒を連ねていますが、その中でも全国的な知名度を誇るのが竹家食堂の「ねぎとろ番長」です。初めて対面した客のほぼ全員が息を呑むそのビジュアルは、一般的な海鮮丼の概念を根底から覆します。
丼の中央にそびえ立つねぎとろの山は、優に高さ10センチメートルを超え、まるで市場にそびえ立つモニュメントのような存在感を放ちます。このメニューが誕生した背景には、かつて横浜ベイスターズで活躍し、リーゼントヘアでファンに愛された三浦大輔氏(愛称:ハマの番長)への敬意と、早朝から力仕事をこなす市場関係者に「安くて腹一杯、本物の魚を食わせたい」という店主の心意気がありました。
使用されているまぐろは、市場の仲卸から直接仕入れる確かな品質。脂のくどさを感じさせない滑らかな舌触りと、赤身のコクが絶妙なバランスで調和しています。さらに味付けの要となるのが、店特製のピリ辛醤油ダレ。濃厚なまぐろの旨味を引き締め、最後まで飽きさせずに米をかき込ませる工夫が凝らされています。横浜市場の海鮮丼でトップクラスの人気を維持し続ける理由は、単なる奇をてらったデカ盛りではなく、市場食堂としての基礎体力の高さと味への妥協なき探求にあります。