なぜこれほどまでに多くの若い女性が、身の危険を冒してまで路上に立つ事態に陥ったのか。その背景には、個人のモラルだけでは語れない極めて根深い構造的問題が存在します。
最大の引き金となったのは、一部の悪質ホストクラブによる売掛金(ツケ払い)問題です。担当ホストに好意を抱かせ、高額なシャンパンタワーなどを煽って支払い能力を超えた借金を背負わせる。返済に行き詰まった女性に対し、担当者自らが路上売春や裏風俗での勤務を指示・強要し、稼いだ現金をその場で回収するという悪質な搾取システムが常態化していました。
さらに、いわゆる「トー横」に象徴される居場所のない若者たちの流入も拍車をかけました。家庭環境の不和や精神的な孤立から歌舞伎町に流れ着き、日々のネカフェ代や宿泊費、食費を稼ぐ手段として、周囲の仲間に流されるまま路上に立ってしまうケースが多発したのです。短時間で現金数万円を手に入れられるという歪んだ手軽さが、リスク判断を麻痺させていきました。