「相撲茶屋と貴ノ花」と聞いて、多くの人が抱くイメージは二分されています。角界のニュースを熱心に追ってきた層であれば、「貴乃花が日本相撲協会の理事選挙や改革の過程で、古い相撲茶屋の利権を潰そうとして協会主流派と決定的な亀裂を生んだ事件」を想起するでしょう。一方で、大相撲の食文化やご当地グルメに関心がある層にとっては、「昭和の大関・貴ノ花ゆかりの本格ちゃんこ鍋が食べられる飲食店」としての認知が先行します。
ネット上の掲示板やSNSでは、この2つが混ざり合い、「貴乃花親方が経営している相撲茶屋があるのか」「茶屋と揉めて店を閉めさせられたのか」といった事実無根の憶測が飛び交う事態も見受けられます。しかし結論から述べれば、これらは完全に別の系譜に属する事象です。相撲界の組織改革における「相撲案内所(茶屋)」問題と、初代貴ノ花の故郷で暖簾を守り続ける料理店「相撲茶屋 貴ノ花」の実態を切り分けて捉えることこそが、疑問を氷解させる最初のステップとなります。