居酒屋やレストランで、運ばれてきたグラスのフチにべっとりとついた赤い口紅。これまでは「仕方のないこと」として見過ごされてきた光景に、今、静かな変化が起きている。他人の視線というよりも、自分自身のテンションを下げる要因として、グラスへの色移りを嫌う人が急増しているのだ。
特にスマートフォンのカメラを向ける機会が多い現代の飲み会では、不意に写り込んだ自分の顔色が悪く見えるのを避けたいという心理が働く。何度も席を立って化粧直しをするのはスマートではない。だからこそ、最初から「落ちない」仕込みをしておくことが、令和後半のナイトアウトにおける暗黙のルールになりつつある。