札幌市中央卸売市場を訪れる際、最も混同しやすいのが「本場(ほんじょう=中央卸売市場そのもの)」と「場外市場(じょうがいしじょう)」の役割と立ち入り権限です。
結論から整理すると、プロが取引を行う本場の売場フロア(水産棟・青果棟の仲卸売場)に一般人が入場して買い物することはできません。食品衛生管理基準(HACCP)の厳格な運用や、構内を縦横無尽に走り回るターレットトラック(小型運搬車)・フォークリフトとの接触事故を防ぐため、取引関係者以外の立ち入りは厳しく制限されています。「市場に行けば業務用の魚を安く小売りしてもらえる」という認識は誤りであるため注意が必要です。
その一方で、一般市民や観光客に広く開かれているのが次の2つのエリアです。
1つ目は、本場の管理棟2階などに整備された「見学通路」です。後述するように、仲卸売場の中に降りることはできないものの、頭上の専用デッキからガラス越しに競りの様子や市場のパノラマを自由に見渡すことができます。
2つ目は、本場のすぐ隣(北11条西21丁目〜22丁目界隈)に広がる「札幌場外市場」です。こちらは卸売市場から毎朝競り落とされた新鮮な魚介・青果を仕入れ、一般消費者や観光客向けに小売り・飲食提供を行う独立した商店街です。約60店舗が密集し、海鮮丼ランチ、カニの茹で上げ販売、メロンの試食、乾物の購入など、旅行者がイメージする「市場グルメ&買い出し」の欲求はすべてこの場外市場で満たすことができます。