沖縄のうなぎシーンを語る上で外せないのが、地元ならではの調味料を活かした独自の秘伝ダレだ。関東風のあっさりした江戸前や、関西風の香ばしい直火焼きの技術をベースにしながらも、味の決め手には沖縄の風土が惜しみなく注ぎ込まれている。
みりんの代わりに熟成された古酒(クース)の泡盛を贅沢に使用し、甘みには波照間島産の純黒糖を加える。これが蒲焼の表面でパリッと香ばしく焦げたとき、甘く深みのある独特の芳香が鼻をくすぐる。重厚でありながら後味はすっきりとしており、沖縄の湿度の高い夏でも食欲をそそる仕上がりだ。地元産のシークヮーサー胡椒や島胡椒(ピパーチ)を薬味として添えるスタイルも、今や定番となりつつある。