難病を克服し、借金返済に向けて精力的に舞台活動を続けていた錦之介でしたが、1996年に下咽頭がんの告知を受けます。声を命とする役者にとって喉の手術は過酷な決断でしたが、錦之介は声を失うリスクを背負いながらも治療に専念し、再び板の上に立つ日を夢見て闘病を続けました。
しかし病魔の進行は止まらず、1997年(平成9年)3月10日、肺炎のため64歳の若さで逝去。早すぎる別れに日本中が深い悲しみに包まれました。生涯を通じて時代劇の美学と真剣勝負を貫き通したその生き様は、数多くの伝説とともに今なお語り継がれています。