勝敗の行方を左右するのは、国際スケート連盟(ISU)が推し進める厳格な採点基準への適応力だ。ジャンプの踏み切りエッジの正確さや回転不足(アンダーローテーション)の判定が厳罰化されるなか、全米フィギュアスケート選手権で上位に食い込んだ選手たちには明確な共通点があった。それは、単に難しい技を跳ぶのではなく「加点を確実にもぎ取るトランジション(技と技のつなぎ)」をプログラム全体に散りばめていることだ。
ステップシークエンスひとつをとっても、上半身のダイナミックなアイソレーションと深いエッジの傾きを両立させ、取りこぼしを許さない。ISUグランプリシリーズの各大会で記録されたプロトコル(採点表)を紐解くと、アメリカ勢の上位選手はジャンプ以外の要素で稼ぎ出すスコアの底上げが著しい。超大技のリスクを最小限に抑えつつ、ベーススコアを極限まで引き上げるクレバーな戦術が完全に機能している。