この世界に類を見ない交通システムが誕生した背景には、二人の先覚者の執念があった。かつて「夢の超特急」計画を強力に推進した国鉄総裁・十河信二と、技術陣のトップとして車体や軌道の設計を指揮した技師長・島秀雄である。当時の常識を打ち破る標準軌の採用や安全第一の立体交差化など、彼らが下した決断がすべての始まりだった。
半世紀以上前、周囲の強い反対を押し切って築かれた技術的基盤は、現在も進化を続ける鉄道事業のあらゆる現場に深く息づいている。過密ダイヤと安全性を完璧に両立させる思想は、創業期の情熱と冷徹なまでの技術革新から受け継がれた直系の遺伝子なのだ。