本作の最大の推進力となったのが、小栗旬演じる「Next Innovation(ネクストイノベーション)」社長・日向徹(ひゅうが とおる)という鮮烈なキャラクター造形です。スティーブ・ジョブズやマーク・ザッカーバーグを彷彿とさせる孤高の天才でありながら、心因性の「顔認識障害(失顔症)」を抱え、他者との情緒的な結びつきを恐れる繊細さを併せ持っていました。
劇中で日向が放った数々の台詞は、単なるドラマの台詞を超え、10年以上が経過した現代のスタートアップ界隈でも引用され続けています。
- 「今ここにない未来は、自分で創る」(起業家精神の根幹を突く代表的フレーズ)
- 「俺はお前たちの顔も名前も覚えていない。だが、お前たちが作ったものは覚えている」(成果主義と個の尊厳の狭間にある真実)
- 「昨日までの常識は、今日からの非常識だ」(変化の激しいテック業界の本質)
- 「お前の電話には出る」(人間不信だった日向が夏井真琴に示した最大限の信頼表現)
また、ビジュアル面でのインパクトも絶大でした。サイドを大胆に刈り上げたアシンメトリーのツーブロックパーマは、当時の男性ヘアスタイルのトレンドを席巻。高級スーツに身を包む従来の社長像を覆し、上質なTシャツやスニーカー、そして疾走する大型バイクで出社するカジュアルかつ機能的な衣装スタイルは、日本のビジネスシーンにおけるドレスコードの変革期を象徴するアイコンとなりました。