この未解決事件を語る上で欠かせないのが、被害者の夫・高羽悟(たかば さとる)さんの存在です。悟さんは事件発生から25年以上が過ぎた今も、現場となったアパートの一室を当時の家賃を支払いながら借り続けています。
「部屋を引き払ってしまえば、奈美子が生きた証や事件の記憶が消えてしまう」「いつか犯人が捕まったとき、現場を見せる必要がある」という思いから、室内の家具や家財道具、事件当時の状況をほぼそのままの状態で保ち続けています。毎月の家賃負担は決して小さくありませんが、風化を防ぎ、警察に捜査を継続してもらうための無言の叫びでもあります。
悟さんはメディアへの出演や手記の発表、ブログやSNSを通じた情報発信を精力的に行ってきました。事件当時2歳だった長男の航平さんも立派な成人へと成長しましたが、「母を理不尽に奪われた真実を知りたい」という親子の強い祈りは今も消えていません。