鼻のてっぺんや小鼻に生じる炎症は、頬や額のトラブルと比較しても群を抜いて強い痛みを伴います。この不快な症状の背景には、鼻特有の解剖学的構造と神経分布の密度が深く関係しています。
鼻の皮膚は皮下組織(脂肪層)が極めて薄く、直下に硬い鼻翼軟骨や骨膜が存在しています。そのため毛穴の奥で炎症が生じて膿が溜まると、周囲の組織が外側に逃げ場を失い、内圧が急激に上昇します。さらに鼻周辺には三叉神経の分枝が密に張り巡らされているため、わずかな腫れであっても神経がダイレクトに圧迫され、「何もしなくてもズキズキと拍動するように痛む」という過酷な状態を生み出します。
また、鼻の上のニキビ 原因として見逃せないのが、過剰な皮脂分泌と摩擦の連鎖です。鼻周囲は皮脂腺の密度が顔の中でもトップクラスであり、頬の約5〜7倍もの皮脂を分泌します。分泌された皮脂が紫外線や空気に触れて過酸化脂質へと変化すると、毛穴の出口が異常角化を起こして角栓が形成されます。これが「毛穴の詰まり」の起点です。さらに日常的なマスクの着脱による物理的摩擦、無意識に鼻を触る癖によってバリア機能が低下し、閉塞した毛穴の中でアクネ菌やブドウ球菌が爆発的に増殖する土壌が完成してしまいます。