物語が大きく動いたサイタマ対タツマキの直接対決。このエピソードは、彼女の心の殻が長年ぶりに剥がれ落ちた名シーンとして語り継がれている。世界中のどんな脅威も一瞬でひねり潰してきた彼女にとって、自分の全力念動力を真っ向から受け止め、あくび混じりに耐え切るサイタマの存在は青天の霹靂だった。
大地を割るほどの超能力で殴りかかりながら、彼女はどこか楽しそうでもあった。生まれて初めて「壊れる心配のない相手」に全力をぶつける爽快感。サイタマに腕を掴まれ、「妹との付き合い方を考えろ」と諭された瞬間の見開かれた瞳。あれは単なる敗北ではなく、長年誰も踏み込めなかった彼女の孤独な領域に、サイタマという規格外の存在が足を踏み入れた瞬間でもあった。