ところ天の助を語る上で絶対に外せない象徴が、平仮名の「ぬ」が一文字だけプリントされた伝説の「ぬのハンカチ」です。作中における天の助の奇行は多岐にわたりますが、この「ぬ」に対する執着は狂気じみており、ライバル関係にあるキャラクターが「ね」のハンカチを取り出した際には、血で血を洗うような激しい精神的マウント合戦を繰り広げました。
「ぬ」の文字に何の意味があるのか、なぜそこまで誇りを持っているのかについて、作中で論理的な説明がなされたことは一度もありません。ただひたすらに「ぬ」を掲げ、敵に見せつけ、時には「ぬ」の形状に変形して相手を威圧します。この徹底した不条理とシュールレアリスムこそが、ボーボボという作品の神髄であり、読者の脳裏に強烈なミームとして刻み込まれた要因です。
また、彼が操る武術「プルプル真拳」も極めて特異な戦闘スタイルを誇ります。心太特有の柔軟性を活かした変幻自在の体術であり、理論上は打撃や斬撃を無力化できるはずの能力です。しかし、実際のバトルでは防御として機能することは稀で、自ら繰り出す技の数々が読者の腹筋を崩壊させてきました。
- プルプル真拳奥義「オズの魔法使」:敵に対して不意にメルヘンな世界観を押し付け、精神的な混乱を誘発させる不可解極まりない奥義。
- ぬの字縛り:自身の肉体を「ぬ」の字に変形させ、相手を拘束しようとするが、大抵はあっさり破られるか無視される。
- 名言セリフ「天の助だーーーっ!!」:突如として脈絡なく叫ばれる自己主張。理不尽な暴力に晒される直前の断末魔としても多用された。
- 「オレを…オレを練馬に連れてってくれー!!」:絶体絶命の危機に陥った際、なぜか東京都練馬区への執着を剥き出しにして叫ぶ魂の絶叫。
彼が放つ数々の名言セリフは、前後の文脈を一切無視した破壊力を持っており、2000年代前半のジャンプ読者たちに深い言語的インパクトを植え付けました。