頭を打った後に「たんこぶ」ができると、多くの保護者は強いショックを受けます。しかし、たんこぶ自体の性質によって危険度は大きく分かれます。
触れたときに硬く盛り上がっているたんこぶは、頭蓋骨の外側にある皮下組織で内出血が起きている状態(皮下血腫)であり、脳自体の損傷を意味するものではありません。一方、触れると水風船のように波打ち、赤ちゃん頭たんこぶブヨブヨとしている場合は注意が必要です。これは「帽状腱膜下血腫(ぼうじょうけんまくかけっしゅ)」と呼ばれ、頭蓋骨を覆う腱膜の下に大量の血液が貯留しているか、あるいは頭蓋骨の線状骨折に伴って骨の隙間から血液が漏れ出しているケースが想定されます。ブヨブヨした感触が確認できた際は、自己判断で揉んだり押さえつけたりせず、早急に脳神経外科や小児科を受診してください。
受傷部位によるリスクの差も知っておく必要があります。前頭部(おでこ)は骨が比較的強固であり、たんこぶができやすい反面、重大な内部障害には至りにくい部位です。反対に、側頭部(耳の上周辺)は骨が薄く、骨の内側に中硬膜動脈という太い血管が走行しているため、わずかなヒビでも動脈性出血を起こしやすい特徴があります。後頭部を強打した場合も、小脳や脳幹に近接しているため注意深い観察が求められます。
たんこぶの初期手当てにおいて、赤ちゃん頭打った冷やし方の基本は「冷やしすぎないこと」です。冷凍庫から出した保冷剤や氷を直接赤ちゃんの皮膚に当てると、凍傷を引き起こす危険があります。冷水で湿らせたタオル、もしくは薄手のガーゼで包んだ保冷パックを使い、患部を軽く冷やします。ただし、赤ちゃんが冷感に恐怖して激しく暴れたり大泣きしたりする場合は、無理に冷やす必要はありません。泣き叫ぶことによる血圧上昇や興奮のほうが内出血を助長するため、保護者が抱っこして安心させ、安静を保つことを最優先してください。