注意しなければならないのは、活動的な時間帯になっても鼻の乾燥が数時間以上続き、全身症状を伴っているケースです。ここで疑われる代表的なリスクが「発熱」と「脱水症」です。
猫は身体に炎症や感染症が起きると体温が急上昇します。猫の平熱と体調チェックを行う際、健康な成猫の平熱は概ね38.0度〜39.2度程度と人間より高めですが、39.5度を超えてくると明らかな発熱状態と判断されます。体温が上がると体表面の水分蒸散が激しくなるため、鼻が硬く乾燥し、触れると普段よりも明らかに熱く感じられます。これが典型的な猫の発熱サインであり、耳の裏側や肉球も同時に熱を帯びるのが特徴です。
発熱と並んで警戒すべき病態が、体内の水分バランスが崩れる脱水です。下痢や嘔吐、あるいは慢性腎臓病や糖尿病などで尿量が増加している場合、急速に水分が失われて鼻の潤いが消失します。家庭で即座に確認できる猫の脱水症状の見分け方として、首の後ろの皮膚を軽くつまみ上げてパッと離す「スキン・テント・テスト」が有効です。正常であれば瞬時に元の平らな状態に戻りますが、脱水を起こしているとつまんだ形状が2秒以上残ったままになります。さらに、唇をめくって歯茎を指で触れた際、ヌルヌルとした唾液の滑らかさがなく、ペタペタと張り付くような感触があれば脱水がかなり進行している証拠です。
加えて、皮膚疾患や自己免疫疾患、日光過敏症(特に白猫に多い扁平上皮癌の前段階など)によって猫の鼻のひび割れや皮むけ、出血が起きている場合も、単なる空気乾燥ではなく病的な異常と捉える必要があります。