自宅のクローゼットや冷蔵庫の裏などで目撃される黒褐色の物体は、卵そのものではなく「卵鞘(らんしょう)」と呼ばれる頑丈なカプセルです。雌のゴキブリは体内で卵を1個ずつ産むのではなく、硬い殻の中に数十個の卵を綺麗に整列させた状態で排出し、安全な隙間に産み付けます。
「たった数ミリの塊だから」と油断して放置すると、取り返しのつかない事態を招きます。卵鞘の中に潜む幼虫の数は種類によって異なりますが、1つのカプセルから20〜40匹前後が一斉に孵化します。屋外から侵入したわずか1匹の雌が数個の卵鞘を遺していくだけで、1〜2ヶ月後には部屋中に100匹以上の幼虫が解き放たれる計算になります。
ネット上の掲示板や知恵袋でも「小豆だと思ってティッシュでつまんだら中から白い粒が出てきてパニックになった」「ゴミ箱の隅に落ちていた茶色い塊を放置していたら、ある日突然小さな黒い虫が壁一面に群がっていた」という悲痛な体験談が後を絶ちません。ゴキブリの卵を見つけたら、その瞬間から時間との勝負が始まっていると認識する必要があります。