県内のジュニアサッカー関係者が最も固唾をのんで見守るのが、毎年春先から初夏にかけて行われる地区および県レベルの選考会です。公式掲示板で神奈川県FA U-12トレセン発表が行われるたび、ネット上の掲示板やSNSは歓喜と落胆の声で埋め尽くされます。かつては「フィジカルに恵まれた早生まれの大型選手が有利」と囁かれていましたが、直近の評価軸は劇的な変貌を遂げています。
現場を担当するチーフインストラクターの証言によれば、刷新された神奈川県サッカー協会 トレセン選考基準では、目先のキック力や足の速さ以上に「プレッシャー下での認知・決断スピード」「オフ・ザ・ボールのポジショニング」が最重視されています。8人制サッカーの戦術的高度化に伴い、ピッチを俯瞰できるインテリジェンスと、味方への的確なコーチング能力が合否を分ける決定打となっています。
取材班が入手した選考シートの項目変更点を見ても、協調性や逆境時のメンタリティを測るスコアが新設されており、個の突破力だけに頼る選手はふるい落とされる傾向が鮮明です。「体が小さくても、意図を持ったファーストタッチができる選手を積極的に拾い上げる」という方針転換は、将来的な日本代表クラスの輩出を見据えた明確な意思表示と言えます。