年中からスタートした幼児科の2年間は、小学校入学と同時に大きなターニングポイントを迎えます。幼児科はあくまで「音楽の基礎土台を作る場」であり、本格的な演奏技術の習得や音楽性の深化は、小学校1年生からの進級先で決まる仕組みになっているためです。
2026年現在のコース体系において、幼児科修了生が直面する進路は大きく以下の3つに分かれます。
① ジュニア専門コース(通称:J専)
ヤマハのトップエリート育成コースであり、講師の推薦と事前のオーディション審査を通過した生徒のみが在籍を許されます。週1回のグループレッスンに加え、週1回の個人レッスンを同時に受講することが義務付けられ、自作曲を発表するJOC(ジュニアオリジナルコンサート)への参加や各種コンクールへの出場が前提となります。家庭内での毎日の練習時間は1〜2時間以上を求められ、親子ともども音楽に生活の最優先事項を捧げる覚悟が必要とされます。
② ジュニア総合コース
幼児科修了生の最も標準的かつ人気のある選択肢です。仲間とともにアンサンブルを楽しむグループレッスンを月3回維持しながら、個別のピアノまたはエレクトーン実技指導(月1回〜3回)を組み合わせるハイブリッド形式を採用しています。専門コースほどの過酷な練習負荷をかけずに、個人の演奏技術もバランス良く伸ばしたい家庭に最適化されています。
③ 外部の個人ピアノ教室への完全移籍
グループレッスンの人間関係や進度の制約から離れ、クラシックピアノの打鍵法(タッチ)や読譜力、ツェルニーやブルグミュラーといった伝統的教則本の習得に集中させたい家庭が選ぶルートです。幼児科で優れた音感を身につけているため、個人教室の指導者からも「耳が良く、音の吸収が驚くほど早い」と歓迎される傾向があります。