新潟の歴史を紐解くと、戦国時代の名将・上杉謙信の逸話と深く結びついた食文化に行き着く。その代表格が、殺菌効果のある笹の葉でアンコ入りのよもぎ餅を包み、スゲの草で縛った笹団子だ。かつては軍糧丸(携帯保存食)として重宝されたと伝えられ、今ではよもぎの爽やかな香りと程よい甘さが愛される新潟名物のお土産として定着している。
一方、雪国の厳しい冬が生み出した発酵文化の結晶が、妙高地方に伝わるかんずりである。地元産の唐辛子を雪の上に晒してアクを抜き、糀(こうじ)や柚子、塩を加えて三年以上じっくりと熟成・発酵させて作られる。辛味の中にまろやかな旨味と柑橘の香りが漂うこの調味料は、鍋物や刺身の薬味としてだけでなく、隠し味としても料理の味を劇的に引き立てる。