鬼殺隊入隊後、柱合会議や柱稽古編において、実弥は玄弥に対して「俺に弟などいない」と言い放ち、物理的な暴力すら辞さない態度で徹底的に拒絶しました。とりわけ柱稽古編さねげんの衝突では、玄弥の目を潰そうとするほどの苛烈さを見せ、炭治郎が割って入る事態にまで発展しています。
読者に衝撃を与えたこの冷淡な態度こそ、実弥が抱く極限の自己犠牲でした。全集中の呼吸が使えず、鬼を喰らうことで肉体を強化するという危険極まりない戦い方に手を染めていた玄弥に対し、実弥は怒りと恐怖を募らせていたのです。
実弥の目的はただ一つ、玄弥を鬼殺隊から強制的に引退させることでした。「危険な戦場から身を引いて、どこかで所帯を持ち、爺になるまで生きてほしい」。自分が鬼をすべて滅ぼすからこそ、玄弥には陽の当たる場所で普通の人間として生きてほしかったという、不器用極まりない兄の純粋な祈りがその拒絶の正体でした。