長年、甲子園のデジタル配信を牽引してきたのは「バーチャル高校野球」をはじめとする大手メディア連携プラットフォームだ。地方大会の1回戦から甲子園の決勝戦まで、数千試合に及ぶアーカイブとライブ中継をすべて無料で提供し続けるビジネスモデルは、世界のスポーツビジネス界でも極めて異例とされている。
しかし、通信インフラコストの膨大化やサーバー高負荷への対応に伴い、プラットフォーム側の裏舞台では熾烈なコスト回収の議論が続いている。2026年に入り、一部の高度なインタラクティブ機能や高画質アーカイブについてはプレミアム会員枠(有料)へと移行する動きが本格化する一方、全試合の「ライブ基本中継無料」を死守しようとする主催者側の思想が衝突。放映権と広告収入、サブスクリプションの黄金比率を模索する熾烈な戦いが繰り広げられている。