コスモアイル羽咋なぜ本物が石川に?Ufo伝説と展示の真相を徹底解剖

コスモアイル羽咋なぜ本物が石川に?Ufo伝説と展示の真相を徹底解剖

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コスモアイル羽咋を訪れた来館者が一様に息をのむのは、展示されている宇宙機材の圧倒的な「生々しさ」です。多くの科学館で見られるプラスチックやFRP製のレプリカとは異なり、金属の質感、配線の取り回し、大気圏再突入時の過酷な摩擦熱を物語る焦げ跡など、実物だけが持つ歴史の重みが充満しています。

なぜこれほどの貴重な機体が石川県羽咋市にあるのか。その真相は、当時羽咋市役所の職員であり、後に「スーパー公務員」として全国に名を馳せた高野誠鮮(たかの じょうせん)氏による、前代未聞の国際直接交渉にあります。

1980年代末から1990年代初頭、冷戦が終結し旧ソ連が崩壊へと向かう激動の時代、高野氏は旧ソ連の宇宙機関(グラブコスモス)や米国のNASAへ直接手紙を送り、自ら現地へと飛び込みました。予算が潤沢にあるわけではない一地方自治体が、国家プロジェクトの遺産を譲り受けるなど前例のない暴挙でした。しかし、当時のソビエト連邦崩壊に伴う極度の外貨不足という歴史的タイミングと、高野氏の情熱的な外交手腕が合致した結果、本来であればモスクワやワシントンの国立博物館に収蔵されるべき機体が、奇跡的に羽咋市へ渡ることとなったのです。

その筆頭が、人類初の有人宇宙飛行を成功させたガガーリンと同型のヴォストーク帰還用宇宙カプセル(ヴォストーク3KA-2)です。実際に宇宙へ打ち上げられ、大気圏再突入を果たした実物であり、表面を覆う耐熱タイルの焼損痕やパラシュート放出ハッチの生々しいディテールを数十センチの距離で目視できます。さらに、NASAのバックアップ機であるマーキュリー宇宙船や、アポロ計画で使われた機体パーツを含む月面宇宙船展示(月面車・ルナモジュール)など、宇宙開発競争の最前線を駆け抜けた機体が同じ空間に並ぶ光景は、世界的に見ても極めて稀有な展示環境といえます。

鈴木 陽菜
著者

鈴木 陽菜

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