ネット上の情報空間には「タンパク質は筋肉の材料だから摂れば摂るほど良い」「余分なタンパク質は尿として排出されるだけなので太らない」という極端な言説が散見されますが、これは医学的・生化学的な見地から明確な誤りです。
タンパク質も1gあたり約4kcalのエネルギーを持つ三大栄養素の一つであり、体内でアミノ酸として使い切れなかった余剰分は、肝臓で脱アミノ化された後、最終的に中性脂肪へと変換されて体脂肪として蓄積されます。「プロテインを真面目に飲んでいるのに痩せない」と嘆く人の多くは、単に総摂取カロリーのオーバーフローを起こしています。
さらに深刻なのが腸内環境の悪化と内臓負荷です。小腸で吸収しきれなかった未消化のタンパク質が大腸へ流れ込むと、ウェルシュ菌をはじめとする悪玉菌の格好のエサとなります。その結果、硫化水素やインドール、スカトールといった有害物質が大量に発生し、便秘やおならの悪臭、肌荒れ、全身の慢性炎症の引き金となります。
また、アミノ酸を分解する過程で生じる有毒なアンモニアを無毒化する肝臓、そして尿素をろ過して排出する腎臓には、過剰摂取によって常に重い代謝ストレスがかかり続けます。健康診断でクレアチニン値やeGFR(推算糸球体ろ過量)に異常が見られる場合は、タンパク質の絶対量を直ちに見直し、動物性タンパク質(肉・魚・卵・乳)と大豆を中心とした植物性タンパク質を1対1の比率で整える調和が必要です。