一方で、生き物との触れ合いや情操教育の場として、鯉への給餌体験そのものが全否定されているわけではありません。近年注目を集めているのが、管理体制が整った鯉の餌やり体験人気スポットの存在です。
例えば、世界遺産に登録されている京都や奈良の名刹、全国屈指の湧水池を持つ日本庭園、あるいは新潟県山古志地域の錦鯉ミュージアムなどでは、入場者向けに専用の「指定浮上性飼料」がモナカやカプセルに入った形で販売されています。これらは水質検査の数値や収容尾数に合わせて給餌カプセルの総販売数が厳格にコントロールされており、魚体の健康と環境維持が両立されています。
対照的に、一般の都市公園やため池では、持ち込み給餌に対する締め付けがかつてないほど強まっています。背景にあるのは、公園管理者側が直面する「アオコの大量発生」「悪臭問題」「カラスやドバト、外来カメの異常繁殖」です。パンくずやお菓子を投げ込む行為は、水生生物の生態バランスを破壊するだけでなく、鳥獣被害を誘発する重大な都市環境リスクと位置づけられるようになりました。2026年現在では、悪質な無許可給餌に対して過料を科す条例改正を検討する自治体も現れています。