首都圏特有の人口構造が、救急医療の現場に重い負荷をかけている。さいたま市および周辺自治体からの救急搬送受け入れ件数は、ここ数年で過去最高水準を更新し続けている。背景にあるのは単なる高齢化だけではない。急速な子育て世代の流入に伴う小児救急の増加と、単身高齢者世帯の増加に伴う軽症・中等症救急の急増が同時並行で起きているのだ。
現場の救急科医師は明かす。「満床に近い状態が続くなかでも、重症患者を断るわけにはいかない。消防との情報共有システムを刷新し、受け入れまでのタイムラグを数秒単位で短縮する努力を重ねている」。地域全体で救急車が足りなくなる「救急逼迫」の波が押し寄せるなか、受け入れ態勢の効率化とトリアージ(患者の緊急度判定)の厳格化がこれまで以上に求められている。