りそな銀行東京本社はなぜ木場?大手町との格差や移転の真相を徹底解剖

りそな銀行東京本社はなぜ木場?大手町との格差や移転の真相を徹底解剖

りそな銀行東京本社はなぜ木場?大手町との格差や移転の真相を徹底解剖について知っておくべき 注意点を厳選して解説いたします。

メガバンクが大手町・丸の内の「丸の内村」に本社を集中させるなか、りそなグループが江東区木場を首都圏中枢に選んだ背景には、旧あさひ銀行(協和銀行と埼玉銀行が合併)の拠点集約プロジェクトと、2003年の公的資金注入に伴う徹底した経営効率化が存在します。

かつて協和銀行は大手町、埼玉銀行は日本橋や埼玉に主要拠点を分散させていました。2000年、当時のあさひ銀行は分散していた都内オフィスの統合先として、株式会社フジクラの工場跡地を再開発した「深川ギャザリア(江東区木場1丁目)」への移転を決断します。金融街である大手町の一等地を離れた理由は明白でした。当時の大手町オフィスの賃料相場が坪あたり3万円〜4万円台を推移していたのに対し、木場エリアはその半分近い水準に抑えられたからです。

加えて、深川ギャザリアのビル設計は1フロアあたりの面積が広く、部署間を壁で仕切らずに意思疎通を図る「大部屋主義」とITインフラの一気通貫を実現するのに理想的でした。2003年5月に大和銀行とあさひ銀行が統合して「りそな銀行」が誕生し、直後に巨額の公的資金(約1兆9,600億円)が注入された際、同行は「銀行業ではなくリテール・サービス業への脱皮」を宣言しました。都心の見栄や権威主義を捨て、コスト削減と実利を最優先する姿勢を社会に示す象徴となったのが、まさにこの木場・深川ギャザリアへの集約だったのです。

清水 千尋
著者

清水 千尋

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。