私生活において最も世間の注目を集めたのが、1990年に発表された女優・戸田恵子との結婚でした。舞台での共演をきっかけに意気投合し、芸能界きっての「お似合いカップル」として祝福されたふたりでしたが、結婚から16年が経過した2006年12月、静かに離婚届が提出されました。
当時、報道各社がこぞって取材に動いた戸田恵子との離婚理由には、いくつかの複合的要素が指摘されています。第一に挙げられたのが「超多忙によるすれ違い」です。戸田恵子は『アンパンマン』の国民的声優としての重責に加え、三谷幸喜作品をはじめとする舞台やテレビドラマで八面六臂の活躍を続けていました。さらに当時、戸田は実母の持病悪化に伴う介護にも直面しており、夫婦で向き合う時間の確保が極めて困難だったと伝えられています。
第二の要因として、一部週刊誌等で報じられたのが「信仰や人生観をめぐる温度差」でした。井上純一が特定の宗教団体に深く帰依していたとされ、その生活習慣や価値観の違いが、長年の婚姻生活の中で徐々に修復不能な溝へと広がっていったという指摘です。ただし、双方が泥沼の暴露合戦を行うことは一切なく、記者会見や後年の手記でも互いへの敬意を維持し続けた「大人の円満離婚」でした。
なお、ふたりの間に子供の有無が話題にのぼることがありますが、16年間の婚姻関係において子供は誕生していません。子育てという共通の鎖がなかったことも、お互いの人生を尊重して別々の道を選ぶ決断を後押しした一因と考えられています。