掲示板やSNSを介した子犬の譲渡では、実際にどのようなトラブルが起きているのか。地元保健所への相談窓口やネット上のコミュニティに寄せられた生々しい声から、典型的な3つのトラブルパターンが浮かび上がってきます。
ケース1:引き渡し直後の重篤な感染症発症
「掲示板で柴犬系の雑種子犬を『元気いっぱい、健康です』との言葉を信じて無償で引き取りました。しかし、自宅に連れ帰った翌日から激しい嘔吐と下痢を繰り返し、動物病院に駆け込んだところパルボウイルス感染症と診断されました。集中治療を受けましたが数日で命を落とし、入院費と治療費で約18万円の出費となりました。元の飼い主へ連絡を入れたものの、『譲渡後は自己責任』の一点張りで連絡を絶たれました」(鹿児島市・30代女性) 混合ワクチンの未接種や衛生管理が不十分な環境で生まれた子犬は、免疫力が極めて脆弱です。引き取り手が多額の医療費を背負うだけでなく、愛犬を失う精神的打撃は計り知れません。
ケース2:「無償」のはずが手渡し時に発生した謎の手数料
「生後2ヶ月の子犬を無料でもらえる約束で、商業施設の駐車場で待ち合わせをしました。子犬を受け取った直後、相手から『これまでにかかったドッグフード代と搬送料、育成協力金として現金で4万円を支払ってほしい』と急に迫られました。断れば子犬を連れて帰ると言われ、子犬の怯えた姿を見て思わず支払ってしまいました」(霧島市・40代男性) 密室や駐車場など、第三者の目が届かない場所での受け渡しを指定し、情に訴えかけたり威圧的な態度で現金を要求したりする手口は典型例です。
ケース3:成長後のサイズ偽装と飼育崩壊の危機
「『小型犬のミックスで、成犬になっても5〜6kg程度』と説明されて譲り受けました。ところが成長するにつれて急速に大きくなり、1歳を迎える頃には体重が20kgを超える大型犬サイズにまで成長しました。住んでいるペット可アパートの規約(10kg未満)に違反することになり、規約違反による退去か手放すかの選択を迫られ、途方に暮れました」(姶良市・20代女性) 両親の血統が不明な雑種子犬の場合、足の太さや骨格からある程度の推測は可能ですが、素人判断は禁物です。住環境に適さないサイズへ成長した結果、最終的に保健所へ持ち込まれる悲劇が繰り返されています。