多くのドライバーが違反や事故を引き起こす最大の温床は、「黄色点滅信号」とのルールの混同にあります。交差点で直交する二つの道路において、一方が赤点滅、もう一方が黄色点滅に設定されている場合、両者には明確な優先関係が存在します。
黄色点滅信号の規定は、「車両等は、他の交通に注意して進行することができる」というものです。法律上、徐行の義務すら定められておらず、安全配慮義務を怠らない限りは法定速度の範囲内で直進することが認められています。これに対し、赤点滅信号側は前述の通り「一時停止の絶対義務」が課されています。したがって、交差点内における優先権は圧倒的に黄色点滅側にあるのです。
さらに見落とされがちな盲点が、赤の点滅信号における歩行者のルールです。道路交通法施行令第2条において、赤色点滅に対面する歩行者等は「他の交通に注意して進行することができる」と規定されています。つまり、車両には完全な一時停止を要求する一方で、歩行者に対しては一時停止を義務付けていません。
この非対称性を理解していないドライバーが、「車と同じく歩行者も止まるだろう」と予断を持って交差点へ進入し、横断中の歩行者と接触する事故が頻発しています。横断歩道が併設されている交差点では、当然ながら道路交通法第38条の「横断歩行者等妨害等違反(違反点数2点・普通車反則金9,000円)」も重畳して問われることになり、運転者の刑事・行政責任は極めて重くなります。