「歩けるから捻挫」は危険?骨折との見分け方と受診目安を徹底解説

「歩けるから捻挫」は危険?骨折との見分け方と受診目安を徹底解説

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捻挫と見分けがつかず、最も見落とされやすい病態が「剥離(はくり)骨折(裂離骨折)」です。関節を強く内側にひねった際、強靭な靭帯そのものが切れるのではなく、靭帯の付着部である骨の表面がペロッと貝殻のように剥がれてしまう現象を指します。

この剥離骨折の見分け方と症状において特筆すべきは、小中学生や高校生など骨が未完成な発育期に極めて多発する点です。成長期の子どもの骨は軟骨成分が多く、大人の骨に比べて柔らかいため、大人の靭帯断裂に相当する強い外力が加わると、靭帯よりも先に骨が負けて引きちぎられてしまいます。「子どもの捻挫はまず剥離骨折を疑え」というのが整形外科の鉄則です。

剥離骨折を生じている場合、外くるぶしの先端部や、足の外側の真ん中あたり(第5中足骨基部:下駄骨折の好発部位)を指先でピンポイントに押すと、飛び上がるほどの局所圧痛(マルゲーニュ圧痛)が確認されます。靭帯の捻挫であれば圧痛帯はある程度ぼんやりと広がりますが、骨折は「指の先端1点」に痛みが集中するのが特徴です。

さらに医療従事者ですら警戒を強めるのが、レントゲンに写らない微小骨折の真相です。受傷直後にクリニックに駆け込み、「レントゲンでは骨に異常はありません、湿布を出しておきますね」と言われたにもかかわらず、2週間経っても痛みが引かない経験をした人は少なくありません。受傷直後は、骨の微細なヒビ(不全骨折)や、剥がれた骨片が極小である場合、角度によって単純X線写真に写り込まない「不顕性骨折」が一定割合で発生します。

受傷から1〜2週間が経過すると、折れた骨の断端を修復するために破骨細胞が働き、骨折線の周囲がわずかに吸収されて隙間が広がるため、2回目のレントゲンで初めて「実は折れていました」と判明するケースが珍しくありません。初期段階で確定診断を下すには、骨浮腫(骨の内部の出血や炎症)を高感度で描出できるMRI検査や、3次元的に骨片を再構築できるCT検査が不可欠となります。

池田 達也
著者

池田 達也

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。