ネット上の音楽フォーラムやSNSで常に議論されるのが、MY FIRST STORY Hiro歌唱力の評判です。彼の歌唱法の特徴は、切なく繊細な中音域のウィスパーボイスから、一瞬でガラスを突き破るようなhihi域のハイトーン、さらには胸骨を震わせる鋭利なスクリームへとシームレスに移行するダイナミクスにあります。
この天性の響きを決定づけているのが、両親から受け継いだ声帯の柔軟性と、昭和歌謡の情感表現です。父・森進一の代名詞である「かすれ声(ハスキーボイス)の哀愁」と、母・森昌子の「どこまでも澄み渡る圧倒的な音程精度」。この相反する2つの遺伝的要素を、現代のラウドロックというフォーマットに落とし込んだ唯一無二のハイブリッドスタイルこそが、Hiroのボーカルの本質です。
その実力を全世界に知らしめたのが、『テレビアニメ「鬼滅の刃」柱稽古編』のオープニング主題歌「夢幻」およびエンディング主題歌「永久 -トコシエ-」でした。ロック界のレジェンドであるL'Arc〜en〜CielのHYDEとのコラボレーション(MY FIRST STORY × HYDE)が発表された際、業界内には「百戦錬磨のHYDEのカリスマ性に飲み込まれるのではないか」という懸念も一部にありました。
しかし完成した楽曲でHiroが見せたのは、HYDEの深遠なバリトンボイスと完璧に対峙し、時にそれを切り裂くような鋭利なハイトーンでした。世界中のアニメファンがリアクション動画を投稿し、「この驚異的な高音を出す日本人シンガーは何者だ」と絶賛のコメントが殺到。親や兄の看板を完全に脱ぎ去り、ひとりの世界的ボーカリストとして確固たる地位を築いた瞬間でした。